靈氣療法必攜

「靈氣療法必攜」是成為傳統靈氣學會的會員後,每位會員均分發的手冊


靈氣療法必攜

【靈氣療法必攜】

心身改善 臼井霊気療法教義

招福之秘法 萬病之霊薬

就在今日 不怒不憂

心存感謝 勤勉其業

待人親切 朝夕合掌

誠心默念 以口誦之

【心身改善臼井靈氣療法-公開傳授説明】
自古創建出的獨特祕法,多以家傳方式教與子孫,藉此使後世一門可安定謀生,並倡以祕法內容門外不傳。實為上代之陋習!苟以現代人類共存共榮之幸福為基,併以社會與時代之進步為望,吾乃斷一己之私而不許。
我之臼井靈氣療法乃前人未發之創見,世上無能其比。於此為人間公益而開放,讓所有人均可沐浴於上天之恩惠,以期達至身心一體,使人得享上天所賜之福祉。基吾之靈氣療法乃宇宙間之靈能為基應靈氣之獨創療法,依此應先健壯自我體魄,穏健思想以增進人世之愉悦。現今生活内外相亘,遇逢改善改造之秋,為救內心受惱及病災之苦的廣汎同胞們,乃敢於公開傳授所存矣。


肇祖 臼 井 甕 男

問:臼井靈氣療法是什麼?
答:誠惶誠恐、謹奉明治天皇遺訓,本會教義乃成就身心練磨向上,期為人行於正道。 第一、療癒內心。第二、肉體健全。內心應適真誠之道,心靈健全後肉體自會健壮。 如斯身心如一並安穩愉悅過活。一邊幫助療癒因病受苦者。以增進自他的幸福為使命,為臼井靈氣療法之使命。


問:臼井靈氣療法與催眠、氣功、信仰療法與其他民間療法為異名同體的療法嗎?
答:非也.不能用異曲同工而論。此乃我多年辛苦修應感得而來的靈妙祕法、是拯救心靈與肉體的法術(技術)。


問:那是種心靈療法嗎?
答:當然可以稱之為心靈療法的一種,也可以稱之為物理療法。其内容主要是讓施術者與被施作者的身體放射出光與能量(氣)、特別是在眼睛、口部以及手的地方。故對著患部凝視兩三分鐘,或是加以呼氣、或以雙手輕撫。針對牙齒痛、疝痛、胃腸病、神經痛、浮腫、擦傷、割傷、火傷、等其他腫痛亦復如是。均能立即去痛、消腫為其效驗。雖然有些痼疾需幾次治療,但多一次見效。對此現象現代醫學仍無法解釋説明,如小説電影的情節般如實發生著。諸位如可親身見證,想必亦得首肯。即便遇到詭譎多辯的人,也無法渺蔑此事實。


問:不相信臼井靈氣療法,就無法得到醫治嗎?
答:非也.此與心理療法、催眠術或其他精神療法有著天壤之別。不需暗示來取得同意或説服。即便有些許疑慮、排斥或拒絶亦無妨。如即便是幼兒、重症病患、失去意識之人亦同樣具有充分的效果。最初我施予療法的人當中,因信用而推薦來者,十人中僅一人。多數均為受過一次治療後,因為顯著效果進而産生信頼的人。


問:臼井靈氣療法就僅是治好疾病嗎?
答:非也.不僅肉體的疾病可以得到療癒,心理所患的疾病如:煩悶、虛弱、膽小、優柔寡斷、神經質或其他的不良癖好均可得到矯正。以如神佛之心為他人療癒,使自我與他人充感幸福。


問:臼井靈氣療法是什麼理由可以治好疾病的?
答:我的療法並不是為了傳授給世人,透過研究而得到治療的靈能。此乃於斷食中獲得了不可思議的靈感,並在偶然的狀況下自我發現了治病的靈能,身為創始人的我也苦於無法確實說明,雖然已有許多學者以及知識家熱心的研究,但仍無法仰賴現代的科學無法斷定其真義,當然我想有朝一日科學是可以證明的。


問:臼井靈気療法是種醫療行為嗎?是否有利弊呢?
答:絶對沒有使用任何醫療器具。只需凝視、呼気、撫手、按壓與輕拍就可得到治療。


問:臼井靈氣療法需要醫學知識嗎?
答:我所創立的這個療法乃超越現代科學的靈法,不需要建立在醫學基礎上。
單純頭腦不舒服就放頭、胃不舒服就放胃、眼睛不舒服就放在眼等,只需對著患部凝視、呼氣、按手、撫手等、就可以達到治療的目的。不需要痛苦的吞薬、熱灸等。就可以在最短的時日治好疾病、這就是我所獨創的靈法!


問:關於這個療法、現代知名的醫學家是怎麼看待的呢?
答:學識深博的知名大家均取中庸之道。歐洲著名的醫學家雖就醫學提出了嚴厲深刻的批判。先將此擺在一旁 不提,帝國醫科大學的永井潛博士說:

「吾人作為醫家對於疾病的診斷、紀載且理解,但常常不知該如何治愈它。」

近藤醫學博士說:

「醫學進步是一個很大的迷信,缺乏對精神影響的考慮是現代醫學的一大缺陷。」

原榮博士曾説:
「近代的衛生治療學竟凌駕於人類的靈智於無視,使用與一般動物相同的治療方法,這可以説是種侮蔑。我相信在不遠的将来,會對治療界帶來一場大革命。」

久賀六郎博士曾説:
「非醫學的專家所奉行的心理療法或是其他各種療法,依據疾病的種類以及患者的個性,施術的適用性。具醫學家之企及,這些療法也具有功效是不辯的事實。只是盲目的對非醫者與精神治療家反對與排斥反而顯示了醫者的心胸狹小。」 (日本醫事新報記載)

如今,有多數的醫學博士、醫學藥劑師認可了這個功效並入門,我想這便是明朗的事實了。


問:那麼政府又是如何看待的呢?
答:依大正十一年二月六日帝國議會衆議院豫算分科會代議士 松下禎二 醫學博士所言:

「近期許多非正式醫療人員以心理療法或是精神療法等治療患者,關於政府之立場的質詢。」

潮政府委員這麼説:

「就像數十年前的催眠術一樣,如同天狗使用的技倆,但到了如今學術上所研究的精神病人卻無不一人應用了該技術治癒著自己與他人。匯聚了人類智慧的醫學卻有著無法解決的困難。對於醫者或疾病本身除了依循一定的方法來對治疾病外,只能遵循著醫學的指示做做看,對應萬病如電療可癒即以電療,如撫摸可癒即以撫摸。也因如此、對其行為不能稱為醫療行為。」

故我所創立的臼井靈氣療法不受到醫師法,或是鍼灸取締規制所規範。

✯經査第45回帝国議会衆議院予算委員第二分科(内務省所管)会議録中
詳細記載當時松下禎二與潮惠之輔的對話


問:如斯療癒之靈能、似需天賦異稟或特定之人才能學習。這不是每個人都可以學習的吧?
答:非也.天地萬物皆備享上天恩賜的療癒之靈能。草木禽獸魚蟲皆然、人類殊為萬物之靈長,所以更加突出。更能具體的將臼井靈氣療法彰顯於世。


問:那樣的話、任何人都可以接受臼井靈氣療法的傳授嗎?
答:無論男女老少,學者,非學者,只要具備常識之人,僅需假以時日便可優雅的治療自己、治癒他人疾病的靈能是能確實得到的。至今為止已經傳授了千數百人且無一人失敗過。他們皆在 初傳 就獲得優越的治病靈能。仔細想想,人能夠在短時間內獲得治病的靈能似乎有些不可思議,但我認為這是非常有道理的。將最困難之事輕鬆的完成,亦我靈法之特色。


問:可以治療他人的疾病、那自己的疾病也可以治療嗎?
答:如果自己的疾病不能治癒、那為何可以治癒好他人的疾病呢?

問:更深入的奥傳是怎麼一回事?
答:奥傳包含了發靈法、打手治療法、撫手治療法、押手治療法、遠距離治療法、性癖治療法等。首先需受初傳資格,後傳授於成績顯著、品行方正且熱心斯此道之人。


問:靈氣療法的奥傳以上的階段是?
答:是 神秘傳。

◆ 補充:於問答中所提到的「奥傳 共分為「奧傳前期」與「奧傳後期」,前期相當於現在的二級(中級)而奧傳後期則為三級(高級)。


靈 授 規 定
一、已故祖師臼井甕男之後繼者稱心身改善臼井靈氣療法 宗家。
二、靈授分 初傳、奧傳、神秘傳。
三、等級區分自 六等 至 一等 迄。
四、三等且入門經十個月以上者,經銓衡後授予 奧傳 靈授。
五、欲入門者,應於靈授會開會前,提出入門意願申請。


療法指針

一、身體各部的基本療癒手位

頭部:前額(髮際線)、後頭部(枕骨)、頸部、頭頂、胃、腸。
去熱法:與前述方式相同,用以配合治療病源處。
眼病:目內眥、內外眥、頸部(頸椎第一二三節)。
鼻:鼻骨、鼻翼、眉間。
耳:耳孔,前耳和後耳。
口:除嘴唇外,將其握在手中。
舌:舌面、舌根。
咽喉:甲狀腺軟骨,頸部。
肺:肺部、後肩骨內側。
心臓:心臓部。
肝臓:肝臓部。
胃:胃部。
腸:升結腸、横結腸、降結腸、小腸部、肚臍附近、臀部。
膀胱:膀胱的部位
子宮:子宮與卵巢両側、骶骨、尾骨。
腎臓:腎臓部位。

二、神經系統疾病

神経衰弱:頭部、眼睛、心臟、胃腸、生殖器或者給予半身治療。
腦部諸病:頭部、胃腸、心臟。
頭痛:太陽穴與頸部。
失眠:後頭部。
眩暈:前頭部。
腦出血:頭部全體、心臟、胃腸、腎臟、癱瘓部分。
癲癇:頭部全體、胃腸。
舞蹈病:頭部、心臟、障礙的位置、手背、腳掌、給予半身治療。
葛瑞夫茲氏病(甲狀腺功能亢進):頭部全體、眼睛、甲狀腺、心臟、子宮、也可以給予半身治療。
神經痛:頭部全體、胃腸、患處、改善便祕。
打嗝:橫膈膜、前頭部。
語言障礙:前頭部與太陽穴左側、太陽穴左側、咽部。
耳鳴:整個耳朵和頭部全體。

三,呼吸系統疾病

支氣管炎:咽喉部位全体,支氣管
咳嗽:喉嚨,胸部
哮喘:頭部全体、胸部、心窩部、咽喉、鼻、心臓
肋膜炎:頭部、胃腸、丹田治療法。
肺炎:頭部、心臓、肺部、丹田治療法。
蓄膿症:鼻、顔面、顎
過敏性鼻炎:鼻、胃腸、肝臓

四、消化系統疾患

食道諸病:食道、心窩部、胃腸
胃病諸病:頭部、心窩部、胃腸、肝臓
腸炎、腸潰瘍、下痢、便秘:胃腸
闌尾炎:盲腸部位、頭部、胃腸
痔瘡:肛門
腹水:頭部、腹部
腹膜炎:頭部、腹部、丹田治療法。
黄膽:頭部、胃腸、肝臓、心臓
胆石:肝臓、胃腸
疝氣:脱出的部分

※心窩部即為上腹區與肋骨劍突相交處。

五、循環系統疾患

心筋炎:頭部、心臓、肝臓、腎臓、膀胱
心内膜炎:心臓
鞘膜積液和水腫:心臓、肝臓、腎臓、膀胱
動脈硬化:頭部、心臓、腎臓、胃腸、丹田治療法。
高血圧症:頭部、心臓、腎臓、胃腸、丹田治療法。
狹心症:頭部、心臓、胃腸、疼痛部位。
脚気病:心臓、胃腸、脚部。

六、物質代謝與血液疾患

貧血:頭、心臓、腎臓、胃腸、病原療癒與半身療癒法。
紫斑病:頭部、心臓、腎臓、胃腸、斑部、丹田治療法。
壊血病:頭部、肺部、心臓、腎臓、胃腸、半身療癒與丹田治療法。
糖尿病:頭部、心臓、肝臓、膵臓、胃腸、腎臓、膀胱、半身療癒法。在這個場合時,可沿著背部肌肉逆行實施。
肥胖病:心臓、腎臓、胃腸、半身療癒法。
痛風:心臓、腎臓、膀胱、胃腸、疼痛部、丹田治療法。
熱射病:頭部、心臓、胸部、胃腸、腎臓、丹田治療法。

※熱射病:大腦下視丘的溫熱中樞受到障礙,體溫調節機能喪失時發生。

七、泌尿系統疾患

腎臓炎:腎臓、心臓、膀胱、胃腸
腎盂炎:腎臓、膀胱、丹田治療法。
腎石:腎臓、胃腸、膀胱、疼痛部
尿毒症:頭部、眼、胃腸、心臓、腎臓、膀胱、丹田治療法。
膀胱炎:腎臓、膀胱
膀胱結石:腎臓、膀胱、疼痛部
夜尿症:頭頂部、膀胱、腎臓
尿閉:腎臓、膀胱、尿道

八、外科與皮膚疾患

傷口創傷:患部、但如果有大量出血,需先止血。
火傷(凍傷):患部、用手握住患處直至疼痛消失。
扭挫傷與瘀傷:患部
淋巴腺炎:患部、丹田治療法。
骨折:自石膏上方的患處進行治療。
骨刺:患部
脱臼:患部
骨膜炎、骨髄炎、関節炎、筋膜炎:患部、丹田治療法。
風濕:頭部、疼痛部、胃腸、改善排便。
脊椎骨疽:頭部、患部、丹田治療法。
脊椎彎曲:患部
脊髄癆:頭部、疼痛、受損與障害的部位、丹田治療法。
失神者:心臓、頭部
溺水者:將水吐完後、心臓、頭部
各種皮疹,腫脹:患部、丹田治療法。
蕁麻疹:胃腸、丹田、患部
脫髮症:頭部、胃腸、患部、丹田治療法。
痲瘋:頭部、胃腸、患部、丹田治療法與半身治療法。
梅毒:頭部、胃腸、患部、丹田治療法。


※脊髄癆:梅毒感染後侵犯脊髄與神經的病症。


九、小児科疾患

夜哭:頭部、胃腸
麻疹:頭部、胃腸、心臓、発疹部
風疹:頭部、胃腸、心臓、発疹部
百日咳:頭部、胃腸、心臓、肺、咽喉、心窩部
小児麻痺:頭部、胃腸、脊椎、麻痺部
扁桃腺炎:患部

十、婦人科疾患

子宮諸病:子宮部
妊娠中:如果子宮得到了治愈,胎兒的生長會很好,分娩也會更容易。
分娩時:仙骨部、下腹部
妊娠悪阻:頭部、子宮、胃腸、心窩部
乳房諸病:乳房
子宮外孕:頭部、子宮、疼痛部

※心窩部即為上腹區與肋骨劍突相交處。


十一、伝染病

傷寒:頭部、心臓、胃腸、脾臓、丹田治療法。療癒時需注意併發症。
沙門氏菌感染:頭部、心臓、胃腸、脾臓、丹田治療法。療癒時需注意併發症。
赤痢:頭部、心臓、胃腸、丹田治療法。
疫痢:頭部、心臓、胃腸、丹田治療法。
白喉:頭部、咽喉、心臓、胸部、胃腸、腎臓、丹田治療法。需要注射血清。
霍亂:頭部、胃腸、心臓、丹田治療法。
猩紅熱:頭部、口内、咽喉、心臓、胃腸、腎臓、発赤部、丹田治療法。
流行性感冒:頭部、心臓、肺、胃腸、疼痛部、丹田治療法與半身治療法。
流行性脳脊髄膜炎:頭部、頚部、眼、心臓、胃腸、腎臓、膀胱、脊髄尤其是頸椎,僵硬或癱瘓的區域。
瘧疾:頭部、心臓、胃腸、肝臓、脾臓、在反覆發燒發作前一小時,依上述部位治療。
丹毒:頭部、心臓、胃腸、患部、丹田治療法。
破傷風:頭部、心臓、胃腸、外傷部、疼痛部、丹田治療法。


一、霊気療法必携

心身改善 臼井霊気療法教義

招福の秘法

萬病の霊薬

今日丈けは怒るな

心配すな感謝して

業をはげめ人に親切に

朝夕合掌して

心に念じ

口に唱えよ


二、公開伝授説明
古来能く独自の秘法を創見するや、己か子孫にのみ教えて家伝と為し、之に依って後世一門の生活安定を計り、秘法内容の門外不出を唱うるが如きは、実に前世紀の遺習と申すもので、苟も現代のごとく人類の共存共栄を以て幸福の基調となし、併せて社会の進歩を要望する時代に於ては、断じて一私するを許しません。我が臼井霊気療法は前人未発の創見でありまして、世上其比を見ません。されば之をば人間公益の為に開放し、何人をも共に天恵に浴せしめ、以て霊肉一如を期し、人世天与の福祉を得しめんとするものであります。元より我が霊気療法は宇宙間の霊能に基ずく霊気の独創療法でありますから、此に依って先ず人間自体を壮健にし、思想の穏健と人世の愉悦を増進するのであります。今や生活の内外に亘り、改善改造を要する秋に於て汎く同胞を悩める心と病災の裡より救うべく敢えて公開伝授する所存であります。

問 臼井霊気療法とは如何なるものでしょうか。

答 畏くも明治天皇の御遺訓を奉体し、我が教義を成就し心身練磨向上を期し、人たるの正道を歩むため、第一心を癒し、第二肉体を健全にしなくてはなりません。心が誠の道に適い、健全であれば肉体は自ら壮健になります。斯くして霊肉一如となって平和と享楽の生涯を完うし、傍ら他の病者を癒し、自他共に幸福を増進することが、臼井霊気療法の使命であります。

問 臼井霊気療法とは催眠術、気合術、信仰療法、其他の療法と異名同体のものであります か。

答 否々夫れ等のもの同工異曲のものではありません。私が多年辛苦錬終に霊秘を感得した る、霊と肉とを救うべき法術であります。

問 然らば心霊療法でありますか。

答 然り、心霊的療法とも謂うことが出来ますが、多くは物質的療法とも謂うことが出来ます。其訳は術者の身体の何れの処よりも気と光を放射します。殊に目、口、手より多く発現します。故に患部を二三分凝視しますか、呼気を吹き掛けますか、手で撫でますか致しますと、歯痛、疝痛、胃腸病、神経痛、乳腫、打身、切疵、火傷、其他腫れ痛むが如きに立所に痛みをさり、腫れがひきます。併し個疾はそうも参りませぬ。幾回かの療癒を要しますが其の個疾と雖も一回の療癒で効果を覚えます。此様な現象を現代の医学では何と説明しますか、斯の如き小説以上の事実があります。諸氏が実際を御覧になれば、成程と首肯せらるることでありましょう。如何に詭辯を弄する人でも実際を蔑することは出来ません。

問 臼井霊気療法を信ぜねば病気は治りませんか。

答 否々心理療法や催眠術その他の精神療法とは違いまして少しも暗示を與えませんから同意とか推服とかを要しません。のみならず如何に疑ふても擯斥しても拒否しても、構いません。例えば幼児や重病患者のごとき意識の缺くる人にも充分の効果があります。最初我が療法を受くる人にして信用推服とかで来る人は、十人に一人あるかなしで、多くは一度び療癒を受け、初めてその効果を知って俄かに信頼の念が起こるのであります。

問 臼井霊気療法に依り如何なる病気が治りますか。

答 精神的病症でも機関的病症でも何病でも治ります。

問 臼井霊気療法は病気を癒すだけでありますか。

答 否々肉体の病気を癒すのみではありません。心の患い即ち煩悶、虚弱、臆病、優柔不断神経質其他の悪癖を矯正することが出来ます。そして神や仏の様な心になって後人を療癒することを主眼として自他共に幸福に充ちることが出来ます。

問 臼井霊気療法は如何なる理由で癒りますか。

答 私はこの療法を天下何人より伝授されたのでもなければ、又療癒の霊能を得んがために研究したのでもありません。断食中に大気に触れて不可思議に霊感し、治病の霊能を得たことを偶然自覚したのでありますから、肇祖の私にも確然と説明を申上げるに苦しみます学者も識者も熱心に研究して居りますが、現代の科学に頼って断定することは困難にせよ科学と一致する時代の来ることは当然であります。

問 臼井霊気療法には医薬を用いますか、且つ弊害というものはありませんか。

答 決して医薬機械を用いません。只凝視と呼気と撫手と按手と軽打のみで平癒します。

問 臼井霊気療法には医学の知識を要しますか。

答 我が療法は現代の科学を超越したる霊法でありますから医学に基礎を置きません。単に脳が悪ければ頭、胃が悪ければ胃、目が悪ければ目等、患部を凝視呼気按手撫手するのみで療癒の目的を達しますから、苦き薬も呑まず、熱き灸もすえず短日月に病気が治るのでそこが我が独創の霊法という所存であります。

問 現代知名の医学者は何と見ておりますか。

答 学識深き知名の大家は見る処洵に中庸を得て居ります。欧州知名の医学者は医薬に就いて深刻な批評を下して居ります。それは別として、帝国医科大学永井潛博士曰く、

「吾人医家は疾病を診断し記載し且つ理解するも如何に療癒するかを知らず。」

近藤医学博士曰く、

「医学が一大進歩せりとは一大迷信なり、精神作用に就いて何等顧みる処なきは現代医術の一大欠点なり。」

原栄博士曰く、

「現代の衛生療癒学に於て霊智ある人類を無視し一般動物と同一に取り扱うに至りては侮蔑 も甚だし近き将来に療癒界の一大革命来るものと信ず。」

久賀六郎博士曰く、

「非医学者に依って行なわれつつある心理療法の如き其他各種療法も疾病の種類や患者の個性や施術の適用に依って医者の企て及ばざる一大偉効を奏しつつあることは事実である。只盲目的に非医者精神療癒家を反発し之を排斥する事にのみ務むるは是医者の狭量である」

(日本医事新報記載)

現に医学博士や医学士薬剤師がこの効能を認めて入門して居る事実を見ても明らかであります。

問 政府は何と見て居りますか。

答 大正十一年二月六日帝国議会衆議院予算分科会に於て代議士松下禎二医学博士曰く、近頃非医者にして心理療法とか精神療法とか称え多数の患者を療癒し居る政府の所見を

問わるるに、潮政府委員曰く、催眠術の如きも十数年前までは如何にも天狗の技であると思っていたのが、今日は学

問上の研究を積み皆精神病者が応用するということになっている。人智萬端総て医学で解決することは困難である。又医者は或る疾病に対して医学の示す所に依ってこの疾病にはこの方法を講ずるとか、皆医学の示す所に依ってやって居るものであるが、萬病に対し電気なら電気をかける、さわるならさわると云ふが如きは医の行為にあらずと

答えて居られます。故に我が臼井霊気療法は医師法にも鍼灸取締規制にも触れて居りません。

問 斯くの如き療癒の霊能は天賦にして特定したる人にのみ備わり誰人にも学んで出来るものでないと思いますが如何でしょう。

答 否々萬物生を享けたる者は何万でも天恵として療癒の霊能を備えて居るものです。草木禽獣魚虫皆然りでありますが、殊に人間は万物の霊長でありますから、一層著しく発現するものであります。それを具体化したものが臼井霊気療法として世に顕れたものです。

問 然らばだれでも臼井霊気療法の伝授を受けらるるものでありますか。

答 勿論男女老壮学者でも無学者でも常識を備えて居る人ならば僅かの日時を以て立派に己れの病気を治し、他人の病気を癒す霊能を的確に得ることが出来ます。今日まで千数百人に伝授しましたが一人として不結果に終わったことはありません。皆初伝だけで立派に治病の霊能を得て居ります。一寸考えて見ると短日時に人の最も難事とする病気を癒すと言ふ霊能を得らるることは不可解の様に考えられますがそれは至極尤もの事と思います。併し其の最大難事が用意に出来得らるるは、我が霊法の特色です。

問 他人の病気は療癒し得るとして自分の病気を癒すことができますか。

答 自分の病気を癒すことが出来ぬ人が、何で他人の病気を癒すことが出来ましょう。

問 更に奥伝を受くるには如何に致しますか。

答 奥伝は発霊法、打手療癒法、撫手療癒法、押手療癒法、遠隔療癒法、性癖療癒法等であります。先ず初伝を受け其成績顕著品行方正斯道に熱心なる人に伝授します。

問 霊気療法に奥伝以上のものがありますか。

答 神秘伝があります。


三、療法指針
一、身体各部の基本療癒
頭部 前頭部(生え際)こめかみ、後頭部、頚部、頭頂部、胃、腸
下熱法 同前但し病原療癒を為す。
眼病 目頭、目尻、頚部
鼻 鼻骨、鼻翼、眉間
耳 耳孔、耳の前部および後部
口 唇を除いて手にておおう。
舌 舌の上面、舌根
咽喉 甲状軟骨、頚部
肺 肺部、背部肩こう骨の内側
心臓 心臓部
肝臓 肝臓部
胃 胃部
腸 上行、横行、下行結腸部、小腸部、へその付近、臀部
膀胱 膀胱の部位
子宮 子宮とその両側、仙骨、尾底骨
腎臓 腎臓部位


二、神経系の疾患
神経衰弱 頭部、眼、心臓、胃腸、生殖器、あるいは半身療癒を施す。
脳の諸病 頭部、胃腸、心臓
頭痛 頭部のコメカミと頚部
不眠症 後頭部
目まい 前頭部
脳溢血 頭部全体、心臓、胃腸、腎臓、不随部分
てんかん 頭部全体、胃腸
舞踏病 頭部、心臓、障害の個所、手の平、足の裏、半身療癒を施す。
バセドー氏病(甲状腺機能亢進症) 頭部全体、眼、甲状腺、心臓、子宮、また半身療癒 を施す。
神経痛 頭部全体、胃腸、患部、便通をよくする。
しゃっくり 横隔膜、前頭部
言語障害 前頭部とコメカミの左側、咽頭
耳鳴り 耳と頭部全体


三、呼吸器系疾患
気管支炎 咽喉部位全体、気管支
せき ノド、胸部
喘息 頭部全体、胸部、心窩部、咽喉、鼻、心臓
肋膜炎 頭部、胃腸、丹田療癒を施す
肺炎 頭部、心臓、肺部、丹田療癒を施す。
蓄膿症 鼻、顔面、顎
過敏性鼻炎 鼻、胃腸、肝臓


四、消化器系疾患
食道諸病 食道、心窩部、胃腸
胃病諸病 頭部、心窩部、胃腸、肝臓
腸炎、腸潰瘍、下痢、便秘 胃腸
虫垂炎 盲腸部位、頭部、胃腸
痔 肛門
腹水 頭部、腹部
腹膜炎 頭部、腹部、丹田療癒を施す。
黄だん 頭部、胃腸、肝臓、心臓
胆石 肝臓、胃腸
ヘルニア 脱出した部分


五、循環器系疾患
心筋炎 頭部、心臓、肝臓、腎臓、膀胱
心内膜炎 心臓
水腫および浮腫 心臓、肝臓、腎臓、膀胱
動脈硬化 頭部、心臓、腎臓、胃腸、丹田療癒を施す。
高血圧症 頭部、心臓、腎臓、胃腸、丹田療癒を施す。
紋心症 頭部、心臓、胃腸、疼痛部位
脚気 心臓、胃腸、脚部


六、物質代謝および血液疾患
貧血 頭、心臓、腎臓、胃腸、病原療癒および半身療癒を施す。
紫斑病 頭部、心臓、腎臓、胃腸、斑部、丹田療癒を施す。
壊血病 頭部、肺部、心臓、腎臓、胃腸、半身療癒および丹田療癒を施す。
糖尿病 頭部、心臓、肝臓、膵臓、胃腸、腎臓、膀胱、半身療癒を施す。この場合とくに背筋を逆にさする。
肥胖病 心臓、腎臓、胃腸、半身療癒を施す。
痛風 心臓、腎臓、膀胱、胃腸、疼痛部、丹田療癒を施す。
熱射病 頭部、心臓、胸部、胃腸、腎臓、丹田療癒を施す。


七、泌尿器系疾患
腎臓炎 腎臓、心臓、膀胱、胃腸
腎盂炎 腎臓、膀胱、丹田療癒を施す。
腎石 腎臓、胃腸、膀胱、疼痛部
尿毒症 頭部、眼、胃腸、心臓、腎臓、膀胱、丹田療癒を施す。
膀胱炎 腎臓、膀胱
膀胱結石 腎臓、膀胱、疼痛部
夜尿症 頭頂部、膀胱、腎臓
尿閉 腎臓、膀胱、尿道


八、外科および皮膚疾患
創傷 患部、ただし出血多量なれば止血法を行なう。
火傷(凍傷) 患部、疼痛が止むまでは手かざしにて行なう。
捻挫および打撲傷 患部
リンパ腺炎 患部、丹田療癒を施す。
骨折 ギブスの上から患部を行なう。
棘立 患部
脱臼 患部
骨膜炎 骨髄炎、関節炎、筋炎 患部、丹田療癒を施す。
筋肉リューマチス 頭部、疼痛部、胃腸、便通をよくする。
脊椎カリエス 頭部、患部、丹田療癒を施す。
脊椎湾曲 患部
脊髄癆 頭部、疼痛のある部位、障害のある部位、丹田療癒を施す。
失神者 心臓、頭部
溺水者 水を吐かせた後、心臓、頭部
諸々の発疹、腫れもの 患部、丹田療癒を施す。
じんま疹 胃腸、丹田、患部
禿頭病 頭部、胃腸、患部、丹田療癒を施す。
癘(らいびょう)頭部、胃腸、患部、丹田療癒および半身療癒を施す。
黴毒 頭部、胃腸、患部、丹田療癒を施す。


九、小児科疾患
夜泣き 頭部、胃腸
麻疹 頭部、胃腸、心臓、発疹部
風疹 頭部、胃腸、心臓、発疹部
百日ぜき 頭部、胃腸、心臓、肺、咽喉、心窩部
小児麻痺 頭部、胃腸、脊椎、麻痺部
扁桃腺炎 患部


十、婦人科疾患
子宮諸病 子宮部
妊娠中 子宮を療癒せば胎児の発育良好にして分娩容易なり。
分娩時 仙骨部、下腹部
ツワリ 頭部、子宮、胃腸、心窩部
乳房諸病 乳房
子宮外妊娠 頭部、子宮、疼痛部


十一、伝染病
腸チフス 頭部、心臓、胃腸、脾臓、丹田療癒を施す。合併症に注意して療癒すること。
パラチフス 頭部、心臓、胃腸、脾臓、丹田療癒を施す。合併症に注意して療癒すること
赤痢 頭部、心臓、胃腸、丹田療癒を施す。
疫痢 頭部、心臓、胃腸、丹田療癒を施す。
ジフテリア 頭部、咽喉、心臓、胸部、胃腸、腎臓、丹田療癒を施す。血清注射を要す。
コレラ 頭部、胃腸、心臓、丹田療癒を施す。
猩紅熱 頭部、口内、咽喉、心臓、胃腸、腎臓、発赤部、丹田療癒を施す。
流行性感冒 頭部、心臓、肺、胃腸、疼痛部、丹田療癒と半身療癒を施。
流行性脳脊髄膜炎 頭部、頚部、眼、心臓、胃腸、腎臓、膀胱、脊髄とくに頸椎、硬直し た部位、不随した部位
マラリア 頭部、心臓、胃腸、肝臓、脾臓、熱発作一時間前位に療癒するを可とす。
丹毒頭部、心臓、胃腸、患部、丹田療癒を施す。
破傷風 頭部、心臓、胃腸、外傷部、疼痛部、丹田療癒を施す。


四、明治天皇の御製
秋の夜の月は昔にかはらねど世になき人の多くなりぬる(月)

あさみどり澄みわたりたる大空の広きおのが心ともがな(天)

暑しともいはれざりけりにえかへる水田にたてるしづを思へば(をりにふれて)

あまたたびしぐれて染めしもみじ葉をただひと風のちらしけるかな(落葉風)

雨だりに窪める石を見ても知れかたき業とて思ひすてめや(をりにふれて)

天を恨み人をとがむることもあらじわがあやまちを思ひかへさば(をりにふれて)

あやまたむこともこそあれ世の中はあまりに物を思ひすぐさば(をりにふれて)

あやまちを諌めかはして親しむがまことの友のこゝろなるらむ(友)

あらし吹く世にも動くな人ごころいはほに根ざす松のごとくに(巌上松)

荒るゝかと見ればなぎゆく海原の波こそ人の世に似たりけれ(波)

家富みてあかぬことなき身なりとも人のつとめにおこたるなゆめ(をりにふれて)

家の風ふきそはむ世もみゆるかなつらなる枝の茂りあひつゝ(兄弟)

いかならむことある時もうつせみの人の心よゆたかならなむ(心)

いく薬もとめむよりも常に身のやしなひ草をつめよとぞおもふ(薬)

いくさ人いかなる野辺にあかすらむ蚊の声しげくなれる夜ごろを(をりにふれて)

いさをある人を教のおやにしておほしたてなむやまとなでしこ(教育)

池のおもにのぞめる花のうれしきはちりても水に浮かぶなりけり(水上落花)

いけのおもは月にゆづりて芦の葉のしげみがくれにゆく蛍かな(月前蛍)

いさゝかのきずなき玉もともすればちりに光を失ひにけり(玉)

いちはやく進まむよりも怠るなまなびの道にたてるわらはべ(をりにふれて)

いとまなき世にたつともたらちねの親につかふる道な忘れそ(孝)

いぶせしと思ふなかにもえらびなば薬とならむ草もあるべし(草)

今はとて学のみちにおこたるなゆるしの文をえたるわらはべ(卒業生)

色々に咲きかはりけりおなじ種まきて育てし撫子の花(麦)

岩がねにせかれざりせば滝つ瀬の水のひびきも世にはきこえじ(滝)

器にはしたがひながらいはがねもとほすは水のちからなりけれ(水)

うとましと思ふむぐらはひろごりて植ゑてし草の根はたえにけり(草)

うまごにやたすけられつゝいでつらむわれを迎へてたてる老人(翁)

うもれ木をみるにつけても思ふかなしづめるまゝの人もありやと(埋木)

埋火のもとにいざなへふる雪のはれまもまたできたる老人(雪中人来)

うるはしくかきもかゝずも文字はただ読みやすくこそあらまほしけれ(書)

老の坂こえぬる子をもをさなしと思ふや親のこゝろなるらむ(親)

老人を家にのこしていくさびと国のためにと出づるをゝしさ(をりにふれて)

大空を心のまゝにとぶ鳥もやどるねぐらは忘れざるらむ(鳥)

幼児がもの書く跡をみても知れ習へばならふしるしある世を(手習)

をしへある庭にさきたる撫子の花は露にもみだりざりけり(瞿麦露)

鬼神もなかするものは世の中の人のこゝろのまことなりけり(誠)

おのがじしつとめを終へし後にこそ花のかげにはたつべかりけれ(をりにふれて)

おのが身はかへりみずしてともすれば人のうへのみいふ世なりけり(述懐)

おほぞらにそびえて見ゆるたかねにも登ればのほる道はありけり(峯)

おもふこと思ひ定めて後にこそ人にはかくといふべかりけれ(をりにふれて)

おもふこと思ふがまゝになれりとも身を慎まむことな忘れそ(をりにふれて)

及ばざる事な思ひそうつせみのみはほどほどのありけるものを(をりにふれて)

おりたちてとくうちはらへ枝よわき小松のうへに雪のつもれる(雪中松)

かぎりなき世にのこさむと国の為たふれし人の名をぞとどむる(をりにふれて)

かざぐるまいざかけさせよ日ざかりの暑さいとはず人のまゐくる(扇風器)

かざらむと思はざりせばなかなかにうるはしからむ人のこゝろは(心)

かたしとて思ひたゆまばなにこともなることあらじ人の世の中(述懐)

かりそめの事に心をうごかすな家の柱とたてらるゝ身は(柱)

かりそめの言の葉草もともすればものの根ざしとなる世なりけり(寄草述懐)

川舟のくだるはやすき世なりとて棹に心をゆるさざらなむ(寄船述懐)

きずなきはすくなかりけり世の中にもてはやさるゝ玉といへども(寄玉述懐)

草まくら旅にいでては思ふかな民のなりはひさまたげむかと(旅中情)

国のためあだなす仇はくだくともいつくしむべき事な忘れそ(仁)

国のためながかれと思ふ老人に死なぬ薬をさづけてしがな(薬)

くりかへす昔がたりにおのづからいさめことばのまじる老人(老人)

暮れぬべくなりていよいよ惜しむかななすことなくて過ぎし一日を(夕)

子を思ふ焼野のきじははるの夜のゆめもやすくは結ばさるらむ(親心)

こころある人のいさめの言の葉は病なき身の薬なりけり(薬)

ことしげき世にふる人もわがこのむ道にわけいるひまはありけり(をりにふれて)

事繁き世にも似たるか夏草は払ふあとよりおひ茂りつゝ(夏草)

ことなしとゆるぶ心はなかなかに仇あるよりもあやふかりけり(心)

小山田の湖畔のほそ道細けれどゆづりあひてぞしづは通へる(細径)

こらは皆軍のにはにいではてゝ翁やひとり山田もるらむ(田家翁)

さしのぼる朝日のごとくさわやかにもたまほしきは心なりけり(日)

梅雨にたゝみの上もしめれるをたむろのうちぞ思ひやらるゝ(梅雨)

さゆる夜の嵐のおとに夢さめてしづがふせやを思ひやるかな(寒夜述懐)

しら玉を光なしともおもふかな磨きたらざることを忘れて(玉)

進むありおくるゝもあり時はかるうつはの針もまちまちにして(時計)

すゝむにはよし早くともあやうしと思ふ道には入らずもあらなむ(道)

すゝむべき時をはかりて進まずば危き道にいりもこそすれ(をりにふれて)

すなほなるをさな心をいつとなく忘れはつるが惜しくもあるかな(心)

すなほにもおほしたてなむいづれにもかたぶきやすき庭のわか竹(子)

たかゝらぬ松のこのまにさきながら雲かとみゆる山桜かな(花以雲)

たちつづく市の家居は暑からむ風の吹入る窓せばくして(夏住居)

たらちねの親につかへてまめなるが人のまことの始なりけり(孝)

たらちねの親の心は誰もみな年ふるまゝにおもい知るらむ(親心)

たらちねのにはの教はせばけれどひろき世にたつもとゐとぞなる(庭訓)

散りやすきうらみはいはじいく春もかわらでにほへ山ざくら花(対花言志)

つもりなば払ふ方たくなりぬべし塵ばかりなる事とおもへど(塵)

手ならひをものうきことに思ひつるをさな心を今くゆるかな(手習)

照るにつけくもるにつけて思ふかなわが民草のうへはいかにと(述懐)

遠くとも人の行くべき道ゆかば危き事はあらじとぞ思ふ(道)

歳月は射る矢のごとし物はみなすみやかにこそなすべかりけれ(をりにふれて)

とる棹にこゝろ長くもこぎよせむ蘆間の小舟さはりありとも(蘆間舟)

なかばにてやすらふことのなくもがな学の道のわけがたしとて(道)

なすことのなくて終らば世に長きよはひをたもつかひやなからむ(をりにふれて)

なにごとも思ふがまゝにならざるがかへりて人の身の為にこそ(人)

波風のしづかなる日もふなびとはかぢにこゝろを許さざらなむ(心)

ならび行く人にはよしやおくるともただしき道をふみなたがへそ(道)

払はずば思はぬかたにかたぶかむつゆおきあまるなでしこの花(をりにふれて)

人みなのえらびしうへにえらびたる玉にもきずのある世なりけり(玉)

ひとりたつ身となりし子を幼なしとおもふや親のこゝろなるらむ(親心)

ひとりたつ身になりぬともおほしたてし親の恵をわすれざらなむ(親)

ひらかずばいかで光のあらはれむこがね花さく山はありとも(鉱山)

開けゆく道にいでてもこゝろせよつまづく事のある世なりけり(をりにふれて)

ひろき世にたつべき人は数ならぬことに心をくだかざらなむ(述懐)

ひろき世にまじりながらともすれば狭くなりゆくひとごころかな(心)

ほどほどにたつべき道もあるものを老いにけりとて身をばかこちそ(老人)

槇ばしらたち栄ゆるもうごきなき家のあるじのあればなりけり(家主)

まつりごとただしき国といはれなむ百のつかさよちから尽して(述懐)

学びえて道のはかせとなる人もをしへのおやの恵わするな(師)

みな人の見るにいぶみに世の中のあとなしごとはかかずもあらなむ(新聞紙)

みなもとは清くすめるを濁江におちいる水のをしくもあるかな(水)

身にあまる重荷車をひきながらいそがぬ牛はつまづかずして(牛)

目に見えぬ神にむかひてはぢざるは人の心のまことなりけり(神祇)

ものごとに進まずとのみ思ふかな身のおこたりはかへりみずして(をりにふれて)

もろともにたすけかはしてむつびあふ友ぞ世にたつ力なるべき(友)

やしないてなほも齢をたもたせむ庭に千代ふる松のひともと(老松)

山田もるしづが心はやすからじ種おろすより刈りあぐるまで(農夫)

ゆきにたへ嵐にたへし後にこそ松のくらゐも高く見えけれ(松)

よきをとりあしきをすてゝ外国におとらぬ国となすよしもがな(国)

世に広くしらるゝまゝに人みなのつゝしむべきはおのが身にして(をりにふれて)

世のさまはいかがあらむとかたつぶりをりをり家をいでて見るらむ(蝸牛)

世の中に危きことはなかるべし正しき道をふみたがへずば(道)

世の中にひとりたつまでをさめえし業こそ人のたからなりけり(宝)

世の中の風にこゝろをさわがすなまなびの窓にこもるわらはべ(学生)

世の中の人におくれをとりぬべしすゝまむときに進まざりせば(をりにふれて)

世の中の人の司となる人の身のおこなひよただしからなむ(行)

世の人ををしふる事もかたからむ身のおこなひの正しからずば(行)

《版權所有 轉載、摘錄本文請標示出處/2003年12月 》


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